新興国株について学んでいくと、
多くの人が最後に行き着く疑問があります。
「結局、新興国株はどれくらい持てばいいのか?」
- 5%では少なすぎる気がする
- 20%は多すぎる気がする
- 正解が分からないまま保有している
こうした状態は珍しくありません。
結論から言えば、
新興国株の割合に“唯一の正解”は存在しません。
ただし、間違いやすい範囲と現実的な目安はあります。
この記事では、新興国株を
ポートフォリオにどれくらい組み込むのが妥当かを、
リターンではなくリスク管理の視点から整理します。
なぜ「割合」を決めずに新興国株を持つと失敗しやすいのか
新興国株は値動きが大きく、感情を揺さぶりやすい
①〜④の記事で見てきた通り、新興国株には、
といった特徴があります。
これらはすべて、
ポートフォリオ全体のブレにつながります。
割合を決めずに保有すると、
下落局面で「想定外」のダメージになりやすく、
冷静な判断が難しくなります。
「将来性」で比率を決めると危険
新興国株は、
- 人口増加
- 経済成長
- 中間層の拡大
といった魅力的なストーリーが語られがちです。
しかし、
ストーリーと投資比率を直結させるのは危険です。
割合は、
「どれだけ増えるか」ではなく
**「どれだけ下がっても耐えられるか」**で決める必要があります。
新興国株の割合に「正解」が存在しない理由
投資家ごとに前提条件が違う
新興国株の適切な割合は、
- 年齢
- 収入の安定性
- 投資経験
- 米国株の比率
によって大きく変わります。
同じ新興国株でも、
20代と50代では受け止め方がまったく違います。
市場環境によって適切な割合は変わる
- 金利環境
- 為替水準
- 世界経済の局面
によって、新興国株のリスクは変動します。
そのため、
「一生この割合で持つ」という考え方自体が、
新興国株には向いていません。
現実的に多くの人が収まる「目安レンジ」
ここで、
あくまで目安としてのレンジを示します。
一般的な目安は「5〜15%」
多くの投資家にとって、
新興国株は以下の範囲に収まることが多いです。
- 5%前後
- 分散目的
- 新興国リスクを最小限に抑えたい人
- 10%前後
- 新興国を明確に組み込みたい人
- ある程度の値動きを許容できる人
- 15%前後
- 新興国の特性を理解している人
- 下落局面でも保有を続けられる人
20%を超える構成が難しくなる理由
新興国株が
ポートフォリオの20%を超えてくると、
- 下落時の影響が大きすぎる
- 米国株の安定性が薄れる
- 精神的な負担が急増する
といった問題が出やすくなります。
理解と覚悟がない限り、20%超は現実的ではありません。
タイプ別|新興国株の妥当な割合の考え方
米国株中心・安定志向の人
- 新興国株:5%前後
- 目的:分散のみ
新興国株に過度な期待をせず、
「入れておく理由がある」程度の位置づけが向いています。
分散を重視する中級者
- 新興国株:10%前後
- 米国株との補完関係を意識
為替や停滞期間を理解したうえで、
ポートフォリオ全体のバランスを取る使い方です。
新興国株に理解がある人
- 新興国株:〜15%
- ただし短期的な下落を許容できることが前提
値動きに振り回されず、
役割を割り切れる人向けの構成です。
割合を決めるときに必ず考える3つの質問
この下落に耐えられるか?
- 半値になっても保有を続けられるか
- 他の資産で冷静さを保てるか
耐えられないなら、
その割合は高すぎます。
米国株が好調なときに我慢できるか?
新興国株は、
米国株が好調な局面で
相対的に見劣りすることが多い資産です。
機会損失に耐えられない場合、
比率は下げるべきです。
なぜ新興国株を入れているのか説明できるか?
- 成長を期待しているのか
- 分散が目的なのか
- 為替リスクを理解しているか
言語化できない場合、その割合は危険です。
私が新興国株の割合を決めるときのルール
最初に「最大比率」を決める
- 上限を決めてから投資する
- 上がっても増やさない
これだけで、
感情的な判断を大きく減らせます。
定期的にリバランスする
- 大きく上がったら売る
- 下がったからといって必ず買い増さない
新興国株は、
管理する資産だと割り切ります。
米国株が主役、新興国株は脇役
この役割分担を崩さないことが、
長く付き合う最大のコツです。
まとめ
新興国株の割合は、
リターンを最大化するための数字ではありません。
- 想定外の下落に耐える
- 判断を誤らない
- ポートフォリオ全体を守る
そのための設計の問題です。
多くの人にとって、
新興国株は 5〜15%の範囲に収まります。
