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②新興国株のリターンは株価より為替で決まる|見落とされがちな本質

新興国株に投資していて、
こんな経験はないでしょうか。

しかし、その原因は運や我慢不足ではない可能性があります。
新興国株投資では、株価以上に「為替」がリターンを左右するからです。

この記事では、
なぜ新興国株のリターンが株価より為替に大きく影響されるのかを、
構造として整理します。


目次

新興国株のリターンは2つの要素で決まる

株価リターン(現地通貨ベース)

まず一つ目は、
現地通貨ベースでの株価の値動きです。

これは、

  • 経済成長
  • 企業利益
  • 株式市場の評価

といった要素によって決まります。
多くの投資家は、ここに注目しています。

為替リターン(投資家の実リターン)

もう一つが、為替の影響です。

日本の投資家が新興国株に投資する場合、

  • 現地通貨 → 円
    という変換が必ず発生します。

つまり、
株価が上がっても、通貨が下がればリターンは相殺されます。

新興国株投資の実際の成績は、
この「株価+為替」の合計で決まります。


なぜ新興国では為替の影響が大きくなるのか

高成長国ほど通貨が不安定になりやすい

新興国は、

  • 高い経済成長率
  • 人口増加
  • 投資需要の拡大

といった魅力を持っています。

一方で、

  • 経常収支が不安定
  • 海外資本への依存度が高い
  • インフレが起きやすい

といった特徴もあります。

その結果、
通貨の価値が安定しにくいのです。

新興国通貨はリスクオフ時に売られやすい

世界的に不安が高まる局面では、

  • 資金は安全資産へ
  • 米ドルや円が買われ
  • 新興国通貨は売られる

という動きが起きやすくなります。

新興国株は、
株価下落と通貨安が同時に起こるケースも珍しくありません。


株価が上がっても報われない仕組み

株価上昇+通貨安の組み合わせ

例えば、

  • 現地株価:+10%
  • 現地通貨:−10%

この場合、
円ベースのリターンはほぼゼロになります。

指数を見ると「成功」に見えても、
投資家の資産は増えていない、という現象が起こります。

長期では為替の影響が積み重なる

短期的な為替変動は偶然に見えますが、
長期では傾向が出やすくなります。

  • 高インフレ国の通貨は
    実質的に価値が下がりやすい
  • 成長と同時に通貨安が進むケースも多い

結果として、
株価の成長が為替によって削られ続ける構造になります。


米国株と新興国株で為替の意味が違う理由

米国株は基軸通貨建て

米国株は、
世界の基軸通貨である米ドル建てです。

  • 危機時に資金が集まりやすい
  • ドル高が追い風になることも多い

つまり、
為替が味方になるケースが多いのが米国株です。

新興国株は資金の「通過点」

新興国市場は、

  • 好況時に資金が流入
  • 不況時に一気に流出

しやすい特徴があります。

そのため、
新興国通貨は安定資産として扱われにくいのです。

同じ「海外株」でも、
為替の性質はまったく異なります。


為替ヘッジは解決策になるのか

為替ヘッジにはコストがかかる

為替ヘッジ付き商品は、

  • ヘッジコスト
  • 金利差
  • 運用効率の低下

といった問題があります。

特に新興国では、
ヘッジコストが高くなりやすい傾向があります。

為替ヘッジは万能ではない

  • 長期ではコストが積み重なる
  • 通貨安リスクは消せても、
    株価下落リスクは残る

結果として、
期待したほどリターンが改善しないこともあります。


為替を前提にした新興国株との付き合い方

為替で儲けようとしない

新興国株投資では、
為替は「予測する対象」ではなく、
管理する前提条件として考える方が現実的です。

新興国株の比率を抑える理由は為替にある

為替変動の大きさを考えると、
新興国株をポートフォリオの中心に据えるのは、
精神的にも難しくなります。

新興国株は、
あくまで補助的な位置づけが適しています。

米国株との組み合わせが重要

  • 成長と安定:米国株
  • 分散と補助:新興国株

この役割分担を意識することで、
為替変動にも冷静でいられます。


まとめ

新興国株のリターンは、
株価だけを見ていても判断できません。

  • 株価
  • 為替

この2つが同時に作用します。

多くの場合、
新興国株の足を引っ張るのは為替です。

だからこそ、

  • 過度な期待をしない
  • 比率を抑える
  • 米国株中心で設計する

こうした前提が重要になります。

次の記事では、
新興国株で「長期投資」がうまくいかない理由を、
時間軸の観点から整理します。

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この記事を書いた人

はじめまして。
当ブログ 「米国株投資の次に考える新興国株」 を運営しているイダウユです。
本業では、製造業で20年以上、経理・財務の仕事に携わってきました。
日々、企業の決算、資金繰り、投資判断、リスク管理と向き合う立場にあります。
個人としての投資歴は20年以上で、米国株を中心に、新興国株・ETF・為替を含めた分散投資を続けています。
株式投資、FX、先物取引に手を出して、結局株式投資に落ち着きました。

米国株投資は、多くの日本人投資家にとって最も再現性の高い投資手法だと感じています。

一方で、ある程度投資を続けていくと、
米国株だけで本当に良いのか
新興国株はどこまで組み入れるべきか
成長性が高いと言われる国に投資する意味はあるのか
といった疑問を持つようになります。

私自身も、そうした問いを持ちながら
新興国株投資で思うような成果が出なかった経験があります。

そこで気づいたのは、
新興国株投資は「知識」や「我慢」の問題ではなく、
構造を理解せずに使うと失敗しやすい投資だということでした。

このブログでは、
爆益を狙う話
将来性だけを強調する話
誰にでも当てはまる「正解」
は扱いません。

代わりに、
なぜ新興国株は期待通りにいかないことが多いのか
米国株と何が決定的に違うのか
ポートフォリオの中でどんな役割を持たせるべきか
といった点を、数字と構造を中心に整理しています。

新興国株は、
主役にすると難しく、脇役として使うと意味が出る資産だと考えています。

投資スタンスについて
投資判断はすべて自己責任
特定の銘柄・商品を強く推奨することはありません
期待リターンよりも「想定外に耐えられるか」を重視します
このブログの内容は、
特定の投資行動を勧誘するものではなく、
判断材料を整理するための情報提供を目的としています。

このブログが役立つ方
米国株投資をすでに実践している方
新興国株に興味はあるが、踏み切れずにいる方
過去に新興国株でうまくいかなかった経験がある方
投資を「夢」ではなく「設計」として考えたい方

そうした方にとって、
冷静に考えるための視点を提供できれば幸いです。

(免責事項)
当ブログは、投資に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、
特定の金融商品・投資行動を推奨するものではありません。
投資判断はご自身の責任において行ってください。

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