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④新興国ETFが指数通りに儲からない構造|見えにくい落とし穴

新興国株に投資する方法として、
新興国ETFを選ぶ人は少なくありません。

  • 分散されていて安全そう
  • 個別株よりリスクが低そう
  • 指数に連動するから長期で安心

こうしたイメージを持たれがちです。

しかし現実には、

  • 指数は上がっているのに資産は増えない
  • 長期で保有したが成果が出ない
  • 米国ETFとの差が広がる一方

といった結果になることも多く見られます。

新興国ETFが期待通りに機能しないのは、
運やタイミングの問題ではありません。
ETFという商品が持つ構造的な特性によるものです。

この記事では、新興国ETFが
「指数通りに儲からない」理由を、
商品レベルで整理します。


目次

「指数に連動する=儲かる」という誤解

指数と投資家リターンは同じではない

ETFが連動する「指数」は、
理論上の数値です。

一方、投資家が得るリターンには、

  • 為替
  • 信託報酬
  • 売買コスト
  • 税金

といった現実の要素が加わります。

その結果、
指数と実際の投資成果にはズレが生まれます。

分散されている=リスクが消えるわけではない

新興国ETFは多くの国・企業に分散されています。

ただしそれは、
「リスクが消える」という意味ではありません。

  • 同じ性質のリスク
  • 同じタイミングで起きる下落

が集まっているだけ、という場合もあります。


為替がETFリターンを削る仕組み

ETFでも為替の影響は避けられない

新興国ETFであっても、

  • 現地通貨 → 円

という変換は必ず発生します。

②の記事で見た通り、
新興国株のリターンは為替に大きく左右されます。

ETFだからといって、
この問題が解消されるわけではありません。

為替ヘッジ付きETFの限界

為替ヘッジ付きETFも存在しますが、

  • ヘッジコスト
  • 金利差
  • 運用効率の低下

といった要因がリターンを圧迫します。

特に新興国では、
ヘッジコストが高くなりやすいため、
長期では期待通りに機能しないケースもあります。


指数構成そのものがリターンを抑える

国有企業・金融機関の比率が高い

新興国指数には、

  • 国有企業
  • 規制の強い業種
  • 金融機関

が多く含まれています。

これらは必ずしも、

  • 高成長
  • 高収益

と相性が良いとは限りません。

時価総額加重の弱点

多くの新興国ETFは
時価総額加重型指数に連動しています。

この仕組みでは、

  • すでに大きくなった企業ほど比率が高くなる
  • 割高になった後に組み入れ比率が増える

という特徴があります。

結果として、
成長の初期段階を取り込みにくい構造になります。

国の成長と指数の成長は一致しない

新興国ETFを買うと、

  • 国の成長
  • 人口増加

に投資しているような気になります。

しかし実際には、
GDP成長と株価指数は別物です。

国が成長しても、
その果実が指数に反映されるとは限りません。


コストが長期リターンを静かに削る

信託報酬は想像以上に重い

新興国ETFの信託報酬は、

  • 年0.5〜1.0%程度

が一般的です。

この差は、
短期では小さく見えても、
長期では無視できません。

売買コスト・流動性の問題

  • スプレッド
  • 出来高の少なさ

といった要素も、
実質的なコストになります。

特に市場が不安定なときほど、
これらの影響は大きくなります。


なぜ長期保有ほど期待とズレるのか

停滞期間が長くなりやすい

新興国ETFでは、

といった期間が珍しくありません。

複利が効きにくい構造

  • 為替
  • コスト
  • 成長率の低さ

これらが重なることで、
複利効果が発揮されにくいのです。

米国ETFとの比較で失望が生まれる

同じETFでも、

  • 米国ETFは堅調
  • 新興国ETFは低迷

という状況が続くと、
保有を続ける心理的ハードルは高くなります。


それでも新興国ETFを使うなら

新興国ETFは成長投資ではない

新興国ETFは、

  • 高リターンを狙う商品
    ではなく、
  • 分散・補助的な役割

として考える方が現実的です。

保有期間と期待値を下げておく

  • 数年単位で評価
  • 上がったら見直す

といった姿勢が向いています。

比率を抑えて使う

新興国ETFは、
ポートフォリオの一部に留めることで、
心理的な負担も軽減されます。

この点は、
⑤「新興国株は何%までが妥当か」で詳しく整理します。


まとめ

新興国ETFが
指数通りに儲からないのは珍しいことではありません。

その理由は、

  • 為替
  • 指数構成
  • コスト
  • 市場構造

といった、ETF固有の構造にあります。

これらを理解せずに使うと、
期待と現実のズレに悩まされます。

一方で、
役割を限定して使えば、
新興国ETFは「扱える道具」になります。

次の記事では、
新興国株をポートフォリオの中で何%まで組み込むのが現実的かを、
具体的に整理します。

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この記事を書いた人

はじめまして。
当ブログ 「米国株投資の次に考える新興国株」 を運営しているイダウユです。
本業では、製造業で20年以上、経理・財務の仕事に携わってきました。
日々、企業の決算、資金繰り、投資判断、リスク管理と向き合う立場にあります。
個人としての投資歴は20年以上で、米国株を中心に、新興国株・ETF・為替を含めた分散投資を続けています。
株式投資、FX、先物取引に手を出して、結局株式投資に落ち着きました。

米国株投資は、多くの日本人投資家にとって最も再現性の高い投資手法だと感じています。

一方で、ある程度投資を続けていくと、
米国株だけで本当に良いのか
新興国株はどこまで組み入れるべきか
成長性が高いと言われる国に投資する意味はあるのか
といった疑問を持つようになります。

私自身も、そうした問いを持ちながら
新興国株投資で思うような成果が出なかった経験があります。

そこで気づいたのは、
新興国株投資は「知識」や「我慢」の問題ではなく、
構造を理解せずに使うと失敗しやすい投資だということでした。

このブログでは、
爆益を狙う話
将来性だけを強調する話
誰にでも当てはまる「正解」
は扱いません。

代わりに、
なぜ新興国株は期待通りにいかないことが多いのか
米国株と何が決定的に違うのか
ポートフォリオの中でどんな役割を持たせるべきか
といった点を、数字と構造を中心に整理しています。

新興国株は、
主役にすると難しく、脇役として使うと意味が出る資産だと考えています。

投資スタンスについて
投資判断はすべて自己責任
特定の銘柄・商品を強く推奨することはありません
期待リターンよりも「想定外に耐えられるか」を重視します
このブログの内容は、
特定の投資行動を勧誘するものではなく、
判断材料を整理するための情報提供を目的としています。

このブログが役立つ方
米国株投資をすでに実践している方
新興国株に興味はあるが、踏み切れずにいる方
過去に新興国株でうまくいかなかった経験がある方
投資を「夢」ではなく「設計」として考えたい方

そうした方にとって、
冷静に考えるための視点を提供できれば幸いです。

(免責事項)
当ブログは、投資に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、
特定の金融商品・投資行動を推奨するものではありません。
投資判断はご自身の責任において行ってください。

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