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⑥新興国株は本当に分散になるのか?米国株との相関を考える

新興国株をポートフォリオに組み入れる理由として、
最もよく挙げられるのが**「分散になるから」**という説明です。

  • 米国株だけでは不安
  • 成長国に分散したい
  • 何かあったときの保険

こうした考え方自体は自然です。
しかし、ここで一度立ち止まって考える必要があります。

新興国株は、本当に米国株の分散になっているのでしょうか。

この記事では、
新興国株が分散として機能する条件と、
機能しにくい現実的な理由を整理します。


目次

分散投資とは、そもそも何を分散しているのか

分散投資の本質は「値動きの違い」

分散投資とは、

  • 国を分けること
  • 商品を増やすこと

自体が目的ではありません。

本質は、
値動きの異なる資産を組み合わせることです。

  • 片方が下がるとき
  • もう片方は下がらない、または上がる

この関係があって初めて、
分散の効果が生まれます。

「海外=分散」ではない

米国株と新興国株は、

  • 国も違う
  • 経済段階も違う

ため、
分散しているように見えます。

しかし、
資金の出入りという観点では、同じリスク要因に左右される
ことが少なくありません。


新興国株と米国株の相関は本当に低いのか

平常時はそれなりに違って見える

相場が安定している局面では、

  • 米国株が緩やかに上昇
  • 新興国株が出遅れる、または独自に動く

といった場面も見られます。

このときは、
「分散できている」と感じやすいでしょう。

問題は「リスクオフ局面」

しかし、投資で本当に重要なのは
相場が荒れたときです。

  • 金融不安
  • 金利急変
  • 地政学リスク

こうした局面では、

  • 米国株:下落
  • 新興国株:より大きく下落

という動きが起こりやすくなります。

つまり、
下落のタイミングは同じで、幅だけが違う
というケースが多いのです。


なぜ新興国株は分散として機能しにくいのか

資金の出どころは同じ

グローバル市場では、

  • 機関投資家
  • ファンド
  • 国際的な資本

が、新興国市場にも投資しています。

リスクが高まると、

  • 資金は一斉に引き上げられ
  • 安全資産へ移動

します。

その結果、
米国株と新興国株が同時に売られる
という現象が起きます。

為替が同時に動く

新興国株では、
株価下落と同時に通貨安が進みやすくなります。

  • 株価下落
  • 為替下落

が重なることで、
円ベースの下落幅はさらに大きくなります。

この点は、
②「為替」の記事で整理した通りです。


「分散にならない」わけではない

ここまで読むと、

新興国株は分散として意味がないのでは?

と感じるかもしれません。

しかし、
完全に無意味というわけではありません。

分散として機能しやすい条件

新興国株が分散として機能しやすいのは、

  • 比率が小さい
  • ポートフォリオの補助的位置づけ
  • 長期で見た値動きの違いを許容できる

こうした条件が揃った場合です。

「主役」にすると分散が壊れる

一方で、

  • 新興国株の比率が高い
  • 成長期待を過度にかける

と、
分散ではなくリスクの集中になりがちです。


新興国株は「完全な分散先」ではない

重要なのは、
新興国株を過大評価しないことです。

  • 米国株の代替
  • 下落時の保険

として考えると、
期待外れになりやすい資産です。

新興国株は、

  • 米国株と異なる値動きをすることもある
  • しかし、危機時には同時に下がる

この両面を持つ資産だと理解する必要があります。


それでも新興国株を組み入れる意味

分散の「質」を高める補助として

新興国株は、

  • 株式内での地域分散
  • 成長ドライバーの一部

として使うと、
一定の意味を持ちます。

ただし、
それは限定的な役割です。

比率管理がすべてを決める

新興国株が、

  • 分散になるか
  • リスクになるか

は、
どれくらいの割合で持つかによって決まります。

この点は、
⑤「新興国株は何%までが妥当か」で
最終的な考え方を整理しています。


まとめ

新興国株は、

  • 分散になる側面
  • 分散にならない側面

の両方を持っています。

重要なのは、

  • 「分散になるはず」と信じ込まないこと
  • 値動きの性質を理解すること

です。

新興国株は、
米国株の代わりではありません。

あくまで、
米国株中心のポートフォリオを補助する存在
として扱うことで、
はじめて意味を持ちます。

次の記事では、
新興国株は積立投資に向いているのか?
という疑問を整理していきます。

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この記事を書いた人

はじめまして。
当ブログ 「米国株投資の次に考える新興国株」 を運営しているイダウユです。
本業では、製造業で20年以上、経理・財務の仕事に携わってきました。
日々、企業の決算、資金繰り、投資判断、リスク管理と向き合う立場にあります。
個人としての投資歴は20年以上で、米国株を中心に、新興国株・ETF・為替を含めた分散投資を続けています。
株式投資、FX、先物取引に手を出して、結局株式投資に落ち着きました。

米国株投資は、多くの日本人投資家にとって最も再現性の高い投資手法だと感じています。

一方で、ある程度投資を続けていくと、
米国株だけで本当に良いのか
新興国株はどこまで組み入れるべきか
成長性が高いと言われる国に投資する意味はあるのか
といった疑問を持つようになります。

私自身も、そうした問いを持ちながら
新興国株投資で思うような成果が出なかった経験があります。

そこで気づいたのは、
新興国株投資は「知識」や「我慢」の問題ではなく、
構造を理解せずに使うと失敗しやすい投資だということでした。

このブログでは、
爆益を狙う話
将来性だけを強調する話
誰にでも当てはまる「正解」
は扱いません。

代わりに、
なぜ新興国株は期待通りにいかないことが多いのか
米国株と何が決定的に違うのか
ポートフォリオの中でどんな役割を持たせるべきか
といった点を、数字と構造を中心に整理しています。

新興国株は、
主役にすると難しく、脇役として使うと意味が出る資産だと考えています。

投資スタンスについて
投資判断はすべて自己責任
特定の銘柄・商品を強く推奨することはありません
期待リターンよりも「想定外に耐えられるか」を重視します
このブログの内容は、
特定の投資行動を勧誘するものではなく、
判断材料を整理するための情報提供を目的としています。

このブログが役立つ方
米国株投資をすでに実践している方
新興国株に興味はあるが、踏み切れずにいる方
過去に新興国株でうまくいかなかった経験がある方
投資を「夢」ではなく「設計」として考えたい方

そうした方にとって、
冷静に考えるための視点を提供できれば幸いです。

(免責事項)
当ブログは、投資に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、
特定の金融商品・投資行動を推奨するものではありません。
投資判断はご自身の責任において行ってください。

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