新興国株に投資する手段として、
多くの人が最初に検討するのが 新興国ETF です。
- 個別株より分散されていて安心そう
- 銘柄選びに悩まなくていい
- 長期投資向きに見える
こうした理由から、
「とりあえず新興国ETFを買う」という選択は自然です。
しかし実際には、
- ETFを買ったのに期待した成果が出ない
- 種類が多すぎて違いが分からない
- 何を基準に選べばいいのか不安
という声も多く聞かれます。
新興国ETF選びで重要なのは、
「どれが一番儲かるか」ではありません。
**「自分の目的に合わないETFを避けること」**です。
この記事では、
新興国ETFを選ぶ際に
必ず確認すべきポイントを整理します。
新興国ETF選びで失敗しやすい理由
過去リターンで選んでしまう
最も多い失敗は、
- 過去◯年で一番成績が良い
- 最近よく上がっている
といった理由でETFを選ぶことです。
新興国ETFでは、
- 一時的な国別ブーム
- 為替の影響
によって、
短期の成績が大きく歪むことがあります。
過去の数字は、
将来の再現性を保証しません。
「新興国」という言葉だけで選んでしまう
新興国ETFと一口に言っても、
- 対象国
- 業種構成
- 経済構造
は大きく異なります。
名前だけで判断すると、
中身を理解しないまま投資する
ことになりがちです。
新興国ETFで必ず見るべき4つのポイント
① 連動している「指数の中身」
最初に確認すべきなのは、
どの指数に連動しているかです。
チェックするポイントは、
- 国別構成比
- 上位銘柄
- 業種比率
です。
新興国指数の多くは、
- 特定の国に偏っている
- 金融・国有企業の比率が高い
という特徴があります。
指数を見ずにETFを選ぶのは、
中身を見ずに箱を買うのと同じです。
② 時価総額加重という仕組み
多くの新興国ETFは
時価総額加重型です。
これは、
- すでに大きくなった企業ほど比率が高くなる
- 成長初期の企業は反映されにくい
という仕組みです。
結果として、
- 「成長国に投資しているつもり」でも
- 実際には成熟企業への投資比率が高い
という状況が生まれます。
③ 信託報酬と隠れたコスト
新興国ETFは、
- 信託報酬がやや高め
- 売買コストやスプレッドが広め
という傾向があります。
一見わずかな差でも、
長期では確実にリターンを削ります。
ただし、
- 一番安いものが必ずしも正解
ではありません。
流動性とのバランスが重要です。
④ 為替の扱い(ヘッジの有無)
新興国ETFでは、
- 為替ヘッジなし
- 為替ヘッジあり
の選択肢があります。
②の記事で整理した通り、
新興国では為替の影響が非常に大きくなります。
ただし、
- 為替ヘッジにはコストがある
- 長期ではリターンを押し下げることもある
ため、
ヘッジ=万能ではありません。
日本上場ETFと海外上場ETFの違い
日本上場ETFの特徴
- 円建てで分かりやすい
- 売買が簡単
- 確定申告が比較的楽
一方で、
- 選択肢が少ない
- コストがやや高め
という点があります。
海外上場ETFの特徴
- 種類が豊富
- コストが低いものも多い
ただし、
- 為替
- 税務
- 売買の手間
を理解しておく必要があります。
どちらが正解というより、
管理できるかどうかが判断基準になります。
新興国ETFは「何を期待して使うか」で選ぶ
高リターン目的には向いていない
④の記事で見た通り、
新興国ETFは構造的に、
- 指数通りに儲かりにくい
- 成長の果実を取り込みにくい
商品です。
「大きく増やしたい」という期待で使うと、
失望しやすくなります。
分散・補助目的なら意味がある
一方で、
- ポートフォリオの地域分散
- 成長要素の一部
として使うのであれば、
新興国ETFは一定の役割を果たします。
重要なのは、
役割を限定することです。
新興国ETFを選ぶときの現実的な手順
- まず 新興国株を入れる目的を言語化する
- ⑤で決めた 上限比率を確認する
- 指数の中身を確認する
- コストと流動性を確認する
- 為替の扱いを理解する
この順番を守れば、
「選び方」で大きく失敗することは避けられます。
まとめ
新興国ETF選びで重要なのは、
- 一番良さそうなものを探すこと
ではなく、 - 合わないものを避けることです。
- 指数の中身
- 時価総額加重の特性
- コスト
- 為替
これらを理解したうえで使えば、
新興国ETFは扱える道具になります。
最終的には、
どのETFを選ぶかより、どれくらい持つか
の方が重要です。
この点は、
⑤「新興国株は何%までが妥当か」で
すでに整理しています。
